縁附かたづ)” の例文
「四谷へ縁附かたづいております、せんのおみつをお連れなさいまして、縁日へ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いもうとなんぞはちと腹を立ちまして、粥河さまは男もし人柄もよし、金はあるし、立派な人だから、此家こゝ縁附かたづけば仕合せと思って腹のうちに喜んで居たのに、にいさんはそれだのに遣って呉れないのだよ
悄々すごすご玄関へ戻って、お嬢さんは、と取って置きの頼みの綱を引いて見ると、これは、以前奉公していた女中おんなで、四ッ谷の方へ縁附かたづいたのが、一年ぶりで無沙汰見舞に来て、一晩御厄介になるはず
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)