緑雨りよくう)” の例文
東京の悪戯いたづら斎藤緑雨りよくうは右に森先生の西洋の学を借り、左に幸田先生の和漢の学を借りたものの、つひに批評家の域にはいつてゐない。
緑雨りよくうは巧に現社界の魔毒を写出しやしゆつせり。世々良伯せゝらはくは少しく不自然の傾きを示すといへども、今日の社界をる事甚だ遠しとは言ふ可らず。
あれは緑雨りよくう様や宅のお友達、数学の天才にて、こちらの朝日の角田様も古く知り給ふかた、当節は文学を専門になさる人たちよりも、かやうな学問のちがひし人様の方々に
ひらきぶみ (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
緑雨りよくうの声も亦絶えたりき。
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)