細徑ほそみち)” の例文
新字:細径
そこから細徑ほそみちを少し行くと、俄然として路は巖端いははなに止まつて、脚下は絶壁の深澗になり、眼前のむかひの巖壁に霧降の麗はしいすがたは見えた。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
崖に沿ひて一條ひとすぢ細徑ほそみちあり。迂𢌞して初の街道に通ず。われは高萱たかがやを分け小草をぐさを踏みて行きしに、月は高き石垣の上を照して、三人みたりの色蒼ざめたるかうべの、鐵格の背後うしろより、我をうかゞふを見たり。