紫電しでん)” の例文
ただ、野犬のように白い歯をむき出して、突如、躍りあがるがごとき身ぶりをしたかと思うと、長い腕がブウン! と宙にうなって、紫電しでん一閃!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
横合から紫電しでん一閃、平次は眞つ二つ——と思ひきや、一髮の違ひで危ふく免れました。
紫電しでんのおどろきに、わしは地をうってユラリ——と、空に足をちぢめた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ボタン一つ押すと紫電しでん一閃いっせん。太い二本の光の柱です。一本は真直に空中を飛び上る。もう一本は敵陣の中につっこむ。するとパッと黄煙こうえんあがると見る間に、ふねも敵兵も瞬間に煙となって空中に飛散する。
発明小僧 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
ピカリッと手槍の紫電しでん、小屋の前をはすかいに流れたかと思うと——
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、おめきざま、紫電しでん低く走って栄三郎の膝へきた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と同時に、紫電しでん闇をつんざいて、八五郎の肩先へ——
と同時に、紫電しでん闇をつんざいて、八五郎の肩先へ——