精進落しょうじんおち)” の例文
冬の日は分けて短いが、まだ雪洞ぼんぼりの入らない、日暮方ひくれがたと云ふのに、とどこおりなく式が果てた。多日しばらく精進潔斎しょうじんけっさいである。世話に云ふ精進落しょうじんおちで、其辺そのへんは人情に変りはない。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「主人の義理の弟のたつ之助——店の支配をして居る四十男ですがね、無口で愛嬌者だが、散々道楽をした揚句の堅気だから、何時いつ精進落しょうじんおちするかわかったものじゃない。——それから」