簪船かんざしぶね)” の例文
ただ、その朝は水平線の上が刷毛はけいたように明るく、遠くの沖を簪船かんざしぶねが二隻も三隻も通っていくのが見えた。つい近くの波間に遊んでいた数羽の水禽みずどりが翼を並べて、兜岩のほうへ立っていった。
暴風雨に終わった一日 (新字新仮名) / 松本泰(著)