簇然そうぜん)” の例文
白、黒、黄、青、紫、赤、あらゆる明かな色が、大海原おおうなばらに起る波紋はもんのごとく、簇然そうぜんとして、遠くの底に、五色のうろこならべたほど、小さくかつ奇麗きれいに、うごめいていた。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あとには依然として黒い者が簇然そうぜんうごめいている。この蠢めいているもののうちに浩さんがいる。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)