節供セツク)” の例文
穢や禍や罪の固りの様な人形ヒトガタながら、馴れゝば玩ぶやうになる。五節供セツクは皆、季節の替り目に乗じて人を犯す悪気を避ける為の、支那の民間伝承である。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此には、上巳の祓除ミソギハラヒの遺風が、底に流れて居る、と見られさうだ。上巳の節供セツクは、日本古来の行事と言ふよりも、寧、支那の信仰上で意味のある日であつた。
○女の家 節供セツクは和漢土俗習合して出来たものと考へる。そして季節の替り目を恐れる風、及び祭り・物忌みに、男は皆宮社に籠り、女ばかりが家にゐて謹んで籠つたことがあるであらう。
方言 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)