箇處ところ)” の例文
新字:箇処
未見みちの境を旅するといふ感じは、犇々ひし/\と私の胸に迫つて來た。空は低く曇つてゐた。目をさへぎる物もない曠野の處々には人家の屋根が見える。名も知らぬ灌木くわんぼくの叢生した箇處ところがある。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)