笑談ぜうだん)” の例文
笑談ぜうだん言つちやいけませんよ、何程なんぼ意気地の無い裁判官でも、警視庁の命令に従ひはしませんからネ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
バルヂピエロのをぢさんのよこした手紙だつてあの日の笑談ぜうだんの続きだと思はれぬこともない。無論をぢさんは死んだには違ひない。併しあの年になれば死ぬのは当然あたりまへである。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
そのうち川原も川向うの市街も見界みさかひが付かぬばかりに打けむつて、銀線のやうな雷雨が降つた。雨やどりしてゐる男女老若は笑談ぜうだんなどを云ひ云ひ、一歩も動くことが出来ずに居る。
イーサル川 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
落しなさるには及ばないぢやありませんか、それは嘘ですよ、笑談ぜうだんですよ、御覽なさい、赤んぼはあなたのふところの中で笑つてるぢやありませんか! あなた、今日は四月一日ですよ!
嘘をつく日 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
朝帰るときに、いつも初めての客にするやうに肩をたゝくやうなことも、わざとらしくてる気がしなかつたので、たゞ、「思出したら又おいでなさい」と、笑談ぜうだんらしく言つたきりであつた。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
笑談ぜうだんを言つて笑つた。
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)