竹篦たけべら)” の例文
千「あれはお箱の蓋の棧がれましたから、米搗こめつき權六ごんろく殿へ頼みまして、急拵きゅうごしらえに竹篦たけべらを削って打ってくれましたの」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
やや鏝が冷めかかると、それでぼかしを入れる。細かい絵であるからわずかの動きで浮き出てくる。いくら見ても見厭みあきない。吾々は工人たちが知っている限りの図柄ずがら竹篦たけべらに焼附けてもらった。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
何事も無智識無経験という事が一番困るので西京さいきょうの松茸山へ素人しろうとりに入ると竹篦たけべらで地を掘ってこれから出ようというく小さな松茸まで採ってしまったり、極く若い松茸を踏みつぶしてしまったり
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)