あな)” の例文
漁師の子はのがれて靴工の宅に入り仔細を明かし、かかとを前に指を後にした靴一足をこしらえもらい、穿うがって村を出るに高いかきで取り廻らしてゆる事ならぬから、やむをえず水あな中から出た。
称す是れ盗魁とうかい 匹として蜃気楼しんきろう堂を吐くが如し 百年の艸木そうぼく腥丘せいきゆうを余す 数里の山河劫灰こうかいに付す 敗卒庭にあつまる真に幻矣 精兵あなを潜る亦奇なる哉 誰か知らん一滴黄金水 翻つて全州に向つて毒を
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)