窓縁まどべり)” の例文
自信たっぷりで、窓縁まどべりに頬杖ついて、往来のほうを見ていた。猫と女は、だまって居れば名を呼ぶし、近寄って行けば逃げ去る、とか。
美少女 (新字新仮名) / 太宰治(著)
雨と晴れとの中にありて雲と共に東へ/\と行くなれば、ふるかと思えば晴れ晴るゝかと思えばまた大粒の雨玻璃窓はりまどを斜に打つ変幻極まりなき面白さに思わず窓縁まどべりをたたいて妙と呼ぶ。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
マサ子はお勝手にあがって、それから三畳間へ行き、三畳間の窓縁まどべりに淋しそうに腰かけて外をなが
おさん (新字新仮名) / 太宰治(著)
私の頬杖ついている窓縁まどべりとは、二間と離れていず、やがてお隣りの軒先の柿の木にさえ火が燃え移って、柿の枯葉が、しゃあと涼しい音たてて燃えては黒くちりちり縮み、その燃えている柿の一枝が
春の盗賊 (新字新仮名) / 太宰治(著)