空白くうはく)” の例文
井戸の屋根がふっとんで、見おぼえのトタン屋根のあたりが空白くうはくになり、そのあたりの空に白い雲がとんでいた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
ドノバンの日記はここでおわって、あとは空白くうはくである。それは一行が大暴風雨にみまわれたため、日記帳もなにもいっさいずぶぬれになったためである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
新月のやうに、細くかよわかつた私の運命は次第に大きくなつて來るやうに思はれた。私の生活の空白くうはくはすつかり充たされた。身體もよくなつて、ずつと肉がつき、氣力も増した。
空白くうはくの紙上にはありありと図面が浮び上る。