秣草まぐさ)” の例文
そうして充分馬をやしなわなくちゃあならなかったが、家のある方へ参りますと田畑が多くって牧場が少ない、それゆえ秣草まぐさを買わなくちゃあならない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
考えるということについては不治の怠惰な連中で、大して弁解の余地もない怠惰者だった。ただ横にころがって自分の秣草まぐさと夢とを平和に反芻はんすうすることばかり求めてる、無気力な動物だった。
いろいろさまざまな恰好の壜がはいったボール箱が橇いっぱいに積みこまれた。呉は、その上へアンペラを置いた。そして、その上へ、秣草まぐさを入れた麻袋を置いた。傷ついた腕はまだ傷そうであった。
国境 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
われは秣草まぐさをうんと喰らつた犢牛こうしのやうに肥え太つてけつかる
秣草まぐさには刈りは刈るともかくのあやめは残せ枕ふべく
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)