秘密裡ひみつり)” の例文
その夜、田鍋課長と部下二名は、帆村荘六をまじえて、ひそかに赤見沢博士の研究所をして出発した。このことは絶対に秘密裡ひみつりに行われた。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
和睦わぼくの運びは、じつに、秘密裡ひみつりであった。近側ですら、その日にいたるまでは知らなかったほどである。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのために敷布をひっかけて法衣の代わりにして、何か香炉こうろの代わりになるものを猫の死骸の上で振り回しながら、讃美歌をうたったものである。これは厳重な秘密裡ひみつりにこっそりと取り行なわれた。
また派遣特務員の信頼するに足る技倆ぎりょうからいっても、この事件は目的を達するまで遂に全く秘密裡ひみつりにおかれるのではないかと思われたのであるけれども
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
今日各国は、それぞれ秘密裡ひみつりに、この成層圏飛行の研究をすすめているが、ドイツとアメリカが最もさかんのようであり、ソ連でも中々やっているようである。
成層圏飛行と私のメモ (新字新仮名) / 海野十三(著)
惨劇のあった翌日、秘密裡ひみつりに、日本化学会の幹部二十三名が、学士会館の一室で会合した。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)