祠堂金しだうきん)” の例文
つかはし殘りの金子ははうむりし寺へ祠堂金しだうきんに寄進なし其外跡々の事共殘る方なく取片付とりかたづけ暇乞いとまごひして出立に及ばんとするに門弟中一同に名殘なごりをし暫時しばらく當所に足を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それから本堂に擔ぎ入れた三千兩の祠堂金しだうきんを見張つてゐる鳶頭かしらの銀次の分、外に本堂前の段々に寛ろいでゐる、四人の人足の分、それを二人は、幾度にも幾度にも、面白さうに運ぶのでした。
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
先祖の菩提ぼだい寺なる春徳寺改築のために、祠堂金しだうきん三千兩を寄進することになり、その日出入りの鳶頭かしらが宰領で人足に擔がせた吊臺つりだい、三つの千兩箱を積み、阿波屋三郎兵衞夫婦が、娘お由利とともに
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)