祝女のろ)” の例文
琉球りゅうきゅうの旧王室では、以前地方の祝女のろかしらたちが拝謁に出たときに、必ず煙草の葉をもって賜物たまわりものとせられたことが記録に散見している。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
勢理客せりかく祝女のろが、あけしの祝女が、いのりをささげて、雨雲を呼び下し、武士もののふの鎧を濡らした、武士は運天うんてん小港こみなとに着いたばかりであるのに、祝女は嘉津宇嶽かつうだけにかかった雨雲を呼び下して
土塊石片録 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
権力を押し拡げて行く時代に際会さいかいして、祭祀さいし女官の中心はことごとく王家のであったのみか、分かれて地方に住む古来の祝女のろたちまでが、所領栄典をもって中央に統御せられていた結果
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)