磯巾着いそぎんちゃく)” の例文
「肩が凝ってやりきれない……頭に口があるのは、磯巾着いそぎんちゃくくらいのものだが、こんな恰好で飯を食うなんてのは、人間業じゃないな」
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そこは荒れ果てた浜で、髑髏しゃれこうべのような石ばかりが其処そこにも此処ここにもころがっておりました。破船の板や丸太や縄切れや、ブリキが岩の間に落ち散り、磯巾着いそぎんちゃくが取りついているのでござります。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)