破鐘声われがねごえ)” の例文
旧字:破鐘聲
耳が遠くなって困ると云いおったがワシが持って生れた破鐘声われがねごえで話すと、よくわかるよくわかるとうなずいておった。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
上ではんなこととも知らないのであろう。大勢が声を揃えて市郎の名を呼んでいた。其中そのなかには塚田巡査のびた声も、七兵衛老翁じじい破鐘声われがねごえまじって聞えた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
三郎いまだ答えざるに、大助は破鐘声われがねごえを揚げて
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
上になり下になり揉み合っているうちに万平の仮髪かつらも手拭も皆飛んでしまった。万平は破鐘声われがねごえの悲鳴を揚げた。
芝居狂冒険 (新字新仮名) / 夢野久作(著)