“砧青磁”の読み方と例文
読み方割合
きぬたせいじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
床(とこ)を見れば、東山(ひがしやま)名物でもありそうな名幅(めいふく)がかかっていた。花器を見れば、砧青磁(きぬたせいじ)とおぼしき耳附(みみつき)の瓶(びん)に、剪(き)って挿(い)けたばかりのような牡丹(ぼたん)のつぼみが笑みを割りかけている。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
砧青磁(きぬたせいじ)の香爐(かうろ)、聖茶碗(ひじりちやわん)などと共に差出し、御調べ濟の上、元の御手箱に返したのが、二た月ほど前、鍵は私の兄、側用人桑原伊織が預かりますが、何かの都合で殿へ差上げた時、ほんの半日だけ
ふと彼がそこを開けると、まだ灯(あか)りの来ていない広やかな壁と畳の寒々とした中に、寂然(じゃくねん)と独り——たとえば、一箇の砧青磁(きぬたせいじ)の香炉がそこに在るかの如く——澄んだ面(おもて)をしてひたと坐っていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)