石高路いしたかみち)” の例文
で、二台、月に提灯かんばんあかり黄色に、広場ひろっぱの端へ駈込かけこむと……石高路いしたかみちをがたがたしながら、板塀の小路、土塀の辻、径路ちかみちを縫うと見えて、寂しい処幾曲り。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
せがれはそのままあとに引返して、でこぼこの石高路いしたかみちをおりて往った。がまうずくまったように見える小屋の傍を廻っておりて往くと、もう舟のある処であった。忰は足を止めて舟の中を見た。
参宮がえり (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
石高路いしたかみちを物ともせず、独り早朝まだきの霜を踏む。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)