石標いしぶみ)” の例文
松戸の宿まで参りましたところ、眼についたは一つの石標いしぶみ、西、杉窪の里とある。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
石標いしぶみのところから真っ直ぐに、押しのぼって来る」という知らせがあった。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこを右すれば中仙道、また左すれば北国街道で、石標いしぶみの立った分岐点を、二人の兄弟は右に取り、中仙道をあゆませた。宿を出ると峠道で、朝陽出ぬ間の露の玉が木にも草にも置かれていた。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
我孫子と小金との中間に、馬橋という駅路がある。その馬橋から我孫子へ向け、十町余りも行ったところに、目立たない一基の石標いしぶみがある。「これより西、杉窪すぎくぼの里」これがきざまれた文字である。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こう石標いしぶみには刻まれてあるが、これも懐しい記念物であろう。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)