着服ちゃくふく)” の例文
どう考えても幾次郎はひどい奴で、ていよくお大を追い払って、百八十両の金を着服ちゃくふくして、自分はなんにも知らない顔をして和泉屋に残っている。
半七捕物帳:68 二人女房 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あとになって帳簿を調べてみると、彼は修繕の銭百万の半分以上を着服ちゃくふくしていることが判りました。
ともかくも折角の獲物を彼等ふたりに着服ちゃくふくされるのは、あまりに忌々いまいましいと思ったので、かれは車力の百助のところへ度々催促に行って、しまいには腹立ちまぎれに喧嘩をして帰った。
半七捕物帳:29 熊の死骸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)