相距あいさ)” の例文
朝野の差別はあたかも極楽地獄の相違あるがごとく、九天の上、九地の下、その相距あいさる千万里程りていもただならず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
こうして二ツの星が、逢わんとして、しきいの内と外まで引寄せられて、また相距あいさること千万里。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
なんとなればかの過去の世界と未来の世界とは決して同一の世界にあらずといえどもその進歩を秩序のうちに保つの社会においてはその相距あいさる、ことに遠からず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
やがて流れて行く屋根に追いついた時分は、ここに堤防を守っていた人々とは相距あいさることがよほど遠くなって、屋根の蔭に隠れてしまったムク犬の姿は、見ることができませんでした。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
かくして宇治山田の米友は、熊を洗うことに打ちこんで総てを忘れてはいるが、実はそれと相距あいさること遠からざるところに、熊よりも一層忘れてはならない相手のあるのを忘れていました。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)