相見しょうけん)” の例文
老師ろうし相見しょうけんになるそうでございますから、御都合がよろしければ参りましょう」と云って、丁寧ていねいに敷居の上にひざを突いた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
宇津木兵馬もこの和尚に相見しょうけんの時から、三箇みっつの驚きを経過しました。慢心和尚は宇津木兵馬からその身の上と目的を聞いて後、例の慢心は持ち出さないでこう言いました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかし今ようやく五十一二とすると、昔自分が相見しょうけんの礼をった頃はまだ三十をえたばかりの壮年だったのである。それでも老師は知識であった。
初秋の一日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
情実にからまれた窮屈な云い廻し方を打ちやって、めんと向き合ったままお秀に相見しょうけんしようとした。その代り言葉はどうしても抽象的にならなければならなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)