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相憎
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あいにく
ふりがな文庫
“
相憎
(
あいにく
)” の例文
「赤城の
山独活
(
やまうど
)
の漬です。お摘み下さい。新しく
桶
(
おけ
)
から出すと香気は高いのですが、
相憎
(
あいにく
)
と、勝手の人間が誰も居らんもので——」
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その日は
相憎
(
あいにく
)
の大夕立で出足を阻まれ平次とガラ八が出動する頃になって、残る夕映の中に、漸く町々の興奮は
蘇返
(
よみがえ
)
って行く様子でした。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
相憎
(
あいにく
)
さま、ふふんだと肚の中で呟いた、だが、考へやうによつては、おきよが
苛々
(
いらいら
)
してゐるのももつともだと云ふ気がしないではなかつた、どうせ、飲み屋のことだから
一の酉
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
それにつれ
相憎
(
あいにく
)
とわたしがもっとも嫌っているお雛妓たちの塗り白げた顔に、振り飜す袖袂の姿もちらほら眼につき出した。
美少年
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「
相憎
(
あいにく
)
皆んな家に居たそうで、どう詮索しても、佐太郎殺しの下手人は、吾妻屋には居ませんよ」
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
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その夕は
相憎
(
あいにく
)
とこの麓の里で新粟を初めて嘗むる祭の日であり、娘の神の館は祭の
幄舎
(
あくしゃ
)
に宛てられていた。この祭には
諱忌
(
きき
)
のあるものは配偶さえ戸外へ避けしめる例であった。
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
相憎
(
あいにく
)
の月夜、五六間先へ、一散に逃げて行く源吉の後姿を隠す物の
隈
(
くま
)
もありません。
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこで指と指を組み合せ馴染の給仕に今日の料理場の内況を
逐一
(
ちくいち
)
聴き取ろうとする気構えだ。だが
相憎
(
あいにく
)
マネージャアのヂュプラが店に姿を現わしているなら余り委しい様子は聞けない。
食魔に贈る
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
相
常用漢字
小3
部首:⽬
9画
憎
常用漢字
中学
部首:⼼
14画
“相憎”で始まる語句
相憎惡
相憎様