相合あいあい)” の例文
学校の帰途かえるさ驟雨にわかあめに逢えば、四辻から、紺蛇の目で左褄ひだりづまというのが出て来て、相合あいあいで手をいて帰るので、八ツ九ツ時分、梓はひどく男の友人にうとんじられた。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一本の傘を相合あいあいにさして、暗い雨の中を四、五間ばかり歩き出したが、また抜足をして引っ返して来て、門口かどぐちからそっと窺うと、内はひっそりしてうなり声もきこえなかった。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)