直覚ちょっかく)” の例文
旧字:直覺
ところが、果然かぜんその直覚ちょっかくはあべこべで、手に手に細身ほそみの刀、小太刀こだちを持ち、外に待ちかまえていた者たちは、やかた武士ぶしとも思われない黒の覆面ふくめん、黒のいでたち。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私はそれを少女の馬鹿馬鹿しい恐怖として、ほとんど気にも止めなかったのである。だが、のちになって、この初代の直覚ちょっかくが、恐ろしい程当っていた事が分って来たのであるが。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
けれどかれは、その一語から直覚ちょっかくをつかんだ。庭番たちの影がいまつぶさに見廻っていた奥の一棟である。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)