直方のうがた)” の例文
直方のうがたを引き上げる時には、そんな物は御座いませなんだ。一郎の身のまわりは、私が残らず調べております。……警察の奴が何が解りましょう。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私は学校へ行くのがいやになっていたのだ。それは丁度、直方のうがたの炭坑町に住んでいた私の十二の時であったろう。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
下関の「なんでも屋」ちゅうのは、同郷の直方のうがたでなあ、あんまりしゃんとはしとらんけど、正直なええ奴じゃ。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「一体、九州の直方のうがたって、どんな土地でしょう?」
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
同 直方のうがた
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そうして君が先刻さっきから読んだその心理遺伝の附録の草案によって直方のうがた事件の真相までも、すっかり蔽い隠してしまった。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わざわざ、直方のうがたの炭坑から、応援にかけつけて来たのに、努力の甲斐もなかったのである。原田にたずねられ、机のうえの紙片をパラパラめくって、面倒くさそうに
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
▼聴取場所 福岡県鞍手くらて直方のうがた町日吉町二〇番地ノ二、つくし女塾の二階八畳、呉一郎の自習室兼寝室に於て——
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
校長の奴、大得意で話しよったものじゃが、何でもこの直方のうがた地方は昔からの山窩の巣窟じゃったそうでのう。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
人気にんきの荒い炭坑都市、筑前ちくぜん直方のうがたの警察署内で起った奇妙な殺人事件の話……。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
不思議な事に、その頃から直方のうがた附近に、眼に立って乞食がえて来た。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)