“目利(めき)” の例文
「だって親方(おやかた)、それにしちゃ、あんまり似過(にす)ぎているじゃありませんか。ちょっとそばへいって、わたしが目利(めき)きをつけてきましょう」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「武勇だって。武勇というものは、尋常無事のときにばかり知れるものかのう。きい殿はえらい目利(めき)き者(しゃ)じゃ」
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
なぞと一々目利(めき)きするのだから容易でない。無念無想の一時間余りが過ぎて、各自一反ずつ家へ届けさせる段取りになると、時計の針は当然四時を指した。
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
大旦那の御機嫌にも叶うに相違ない、あれが適当だ——という目利(めき)きだけは、すべての者が一致したようです。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
材料——主として魚介の目利(めき)きの点においては、ある程度みっちゃんが優れているように思う。といっても、双方それぞれに特徴があって、米を炊(た)かしてはだんぜん久兵衛(きゅうべえ)が優れている。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
「娘のことゝ言ふと、八五郎は大した目利(めき)きだ」
銭形平次捕物控:274 贋金 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「これです。一つお目利(めき)きが願い度(た)いものです」
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
大抵の物は買えるような組織になっているのだという目利(めき)きは直ぐにつきました。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)