“盌(もい)” の例文
若者は盌(もい)を蹴って部屋の外へ馳け出した。間もなく、法螺(ほら)が神庫(ほくら)の前で高く鳴った。それに応じて、銅鑼(どら)が宮の方々から鳴り出した。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
と見る間に、使部の片手は剣を握ったまま胴を放れて酒の中へ落ち込んだ。使部たちは立ち停った。若者は飛(と)び退くと、杉戸を背にして突き立った。彼を目がけて盌(もい)が飛んだ。行器(ほかい)が飛んだ。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そこには、海水を湛(たた)えた盌(もい)の中に海螺(つび)と山蛤(やまがえる)が浸してあった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)