皺嗄しゃが)” の例文
その信長の叱咤も、今は声も皺嗄しゃがれてしまって、何を叫んでいるのか、意味も聞き取れなくなっていた。けれど言葉の意味などは、もう将士に不要になっていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
の葉の騒ぐのとは思いながら、澄んだ耳には、聴き覚えのある皺嗄しゃがれた声や、快活な高声たかごえや、低い繊弱かぼそい声が紛々ごちゃごちゃと絡み合って、何やらしきりにあわただしく話しているように思われる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「はい。」と目金を向ける、気を打った捨吉もひとしく振向くと、皺嗄しゃがれた声で
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)