畸型きけい)” の例文
彼の興味は家庭の状況よりも、ほとんど畸型きけいに近い久慈恵介の胸にかかっていたのだ。彼はすかしてみたり、深さを測ってみたりした。
白い壁 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
頭蓋ずがいのあらわな不恰好さ、躯を動かすたびに揺れる重たげな乳房、厚く肉付いて、圧倒するような量感のある広い腰、そうして畸型きけいかと思われる曲った短い足。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ほのぼのとした童心の畸型きけい的な戀に由來したものでは、この解決は十手にも捕繩にも及びません。
幻燈に似た流行を耽溺たんできするプチ・ブルジョワの一群と、実生活から畸型きけい的に形成されたブルジョワ末期の社会に発生したプロレタリア精神の出現を、繁雑な社会主義理論闘争から逃れて
恋の一杯売 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
色白の華奢きやしやの方で、身體も手足も細く、薄肉で眼鼻の無暗に大きいところや、顎のあたりがゆがんでゐる樣子は、肉體的にも性格的にも、畸型きけいな感じを抱かせるに充分です。
女のほうはその感じが特にひどい。頭蓋ずがいのあらわな不恰好ぶかっこうさ、躯を動かすたびに揺れる重たげな乳房、厚く肉付いて、圧倒するような量感のある広い腰、そうして畸型きけいかと思われる曲った短い足。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)