画裡がり)” の例文
ただ降る雨の心苦しくて、踏む足の疲れたるを気に掛ける瞬間に、われはすでに詩中の人にもあらず、画裡がりの人にもあらず。依然として市井しせいの一豎子じゅしに過ぎぬ。雲煙飛動のおもむきも眼にらぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)