田圃径たんぼみち)” の例文
独言ひとりごとを云いながら金包を手拭にくるんで腹掛のどんぶりに押込み、腕組をして、女と一緒だからまだ其様そんなに遠くは行くまい、田圃径たんぼみちから請地うけち堤伝どてづたいに先へ出越せば逢えるだろう
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
聞えないかの低い声で鼻唄はなうたをうたいながら歩いている源吉爺さんを先達せんだつにして、トヨは毎日の道順にしたがい、のきの傾いた商家がたち並んでいる広い村道から、ほこりっぽい田圃径たんぼみちへと通り抜けてゆく。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)