田吾作たごさく)” の例文
毛脛けずねを手で叩きながらみんなをにらみまわした、「ふん、どいつもこいつも田吾作たごさくづらあしてやがる、これからおれがちっとずつしょうをつけてやるぜ」
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それは今日彼の名によって「ラマン効果」と呼ばれるものである。田舎いなかから出て来たばかりの田吾作たごさくが一躍して帝都の檜舞台ひのきぶたいの立て役者になったようなものである。
時事雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
土地の人は小さい声で哀れがっていましたよ——こちとらの阿魔あまッ子や倅だったら、手っ取り早く新田の田吾作たごさくにでも口をきかして、三日経たないうちに一緒にしてやるのに