“生玉”の読み方と例文
読み方割合
いくたま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ある時鴻池の主人が好者すきしやの友達二三人と一緒に生玉いくたまへ花見に出掛けた事があつた。一こんまうといふ事になつて、皆はそこにある料理屋に入つた。
青磁の皿 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
又百二十八社めぐりと云って、住吉、生玉いくたま高津こうづの三社とその末社とへ月詣つきまいりをしたこと。節分には上町うえまちの寺々の地蔵巡りをして、自分の歳の数だけもちを供えて廻ったこと。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
千日前界隈かいわいの見晴らしの利く建物の上から、はるか東の方を、北より順に高津かうづの高台、生玉いくたまの高台、夕陽丘の高台と見て行けば、何百年の昔からの静けさをしんと底にたたへた鬱蒼うつそうたる緑の色が
木の都 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)