生活方くらしかた)” の例文
兄やあによめの近頃のお生活方くらしかただの、御家人どもが争って、宏壮な居館やかたを建てたり、飲んだり遊び明したり、私闘に日を暮したりしている有様をながめると、わしの心は楽しまぬ。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
というのは木地師の生活方くらしかたが、杣夫や村人よりも万事万端、進んでもおれば立派だからでもあった。「木地師ではなくておさむらいさんのようだ」これがかれらの評語であった。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
婦人記者は美しい声で、この文人がボストンに来た用向きから、その最近の作物さくぶつ生活方くらしかた迄こまめにたゞした。リレエは丁寧に一々それに返辞をした。すると、最後に婦人記者は訊いた。
つまり、世間の人のやる人情のある生活方くらしかたの真似ごとをしてひとり慰めていたおれだが……
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてご自分の生活方くらしかたも下界の人間とは差別を立てられ家には住まずあなに住まわれた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)