甘藷いも)” の例文
やりたくても無い時があり、あってもやりたくない時があり、二拍子ふたひょうしそろって都合よくやる時もあり、ふかし甘藷いも二三本新聞紙につつんで御免を蒙る場合もある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
浅い皿の上から甘藷いもの煮ころばしが飯粒をつけて転げ出している。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
甘藷いもを掘る一家の端にわれも掘る
今日:02 今日 (新字旧仮名) / 西東三鬼(著)
大根を干し甘藷いもを干しすぐ日かげ
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
雨にぬれて跣足はだしけあるき、栗でも甘藷いもでも長蕪でも生でがり/\食って居る田舎の子供は、眼から鼻にぬける様な怜悧ではないかも知れぬが、子供らしい子供で
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
甘藷いも焼けてゐるわらの火の美しく
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
稀に遊びに来ては甘藷いもを洗ったり、外竈そとへっついいて見たり、実地の飯事ままごとを面白がったが、然し東京の玄関げんかんから下駄ばきで尻からげ、やっとこさに荷物脊負せおうて立出る田舎の叔父の姿を見送っては
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)