瑞雲ずいうん)” の例文
みゑ子が手離しで歩きだしたと言って笑い、転んだと言っては騒ぎ、家のなかはいつも薫風くんぷう瑞雲ずいうんが漂った。
盗難 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
空をゆくおおとりは地に降り、谷々の岩燕は、瑞雲ずいうんのように、天に舞った。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手伝わせた弟子には林美雲氏も山本瑞雲ずいうん氏もおりました。
彼の華やかな紫の狩衣かりぎぬ紅錦こうきん陣半被じんはっぴえいに飾られたかんむりといえど、蒼白なその憂いにみちたおもてには、すべて、悲調を強めるものでしかなく、珠を失った龍か、瑞雲ずいうんを奪われて荒地こうちに怒る鳳凰おおとりにも似て
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)