王命婦おうみょうぶ)” の例文
私と王命婦おうみょうぶ以外にこの秘密をうかがい知った者はございません。その隠れた事実のために恐ろしい天のさとしがしきりにあるのでございます。
源氏物語:19 薄雲 (新字新仮名) / 紫式部(著)
藤壺ふじつぼの宮の自邸である三条の宮へ、様子を知りたさに源氏が行くと王命婦おうみょうぶ、中納言の君、中務なかつかさなどという女房が出て応接した。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
前の庭の植え込みの中に何木となく、何草となく青くなっている中に、目だつ色を作って咲いた撫子なでしこを折って、それに添える手紙を長く王命婦おうみょうぶへ書いた。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
それ以来どの恋人の所へも行かず宮中の宿直所とのいどころででも、二条の院ででも、昼間は終日物思いに暮らして、王命婦おうみょうぶに手引きを迫ることのほかは何もしなかった。
源氏物語:05 若紫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
源氏は東宮へもお暇乞いの御挨拶あいさつをした。中宮は王命婦おうみょうぶを御自身の代わりに宮のおそばへつけておありになるので、その部屋のほうへ手紙を持たせてやったのである。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
まして東宮は常に源氏を恋しく思召おぼしめして、人の見ぬ時には泣いておいでになるのを、乳母めのとたちは哀れに拝見していた。王命婦おうみょうぶはその中でもことに複雑な御同情をしているのである。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
恋人と自分の間に子が生まれてくるということに若い源氏は昂奮こうふんして、以前にもまして言葉を尽くして逢瀬おうせを望むことになったが、王命婦おうみょうぶも宮の御懐妊になって以来、以前に自身が
源氏物語:05 若紫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
王命婦おうみょうぶもお供をして尼になったのである。この人へも源氏は尼用の品々を贈った。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
帝は王命婦おうみょうぶにくわしいことを尋ねたく思召したが、今になって女院が秘密を秘密とすることに苦心されたことを、自分が知ったことは命婦にも思われたくない、ただ大臣にだけほのめかして
源氏物語:19 薄雲 (新字新仮名) / 紫式部(著)
王命婦おうみょうぶ
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)