猟夫りょうし)” の例文
旧字:獵夫
占めようと、右の猟夫りょうしが夜中真暗まっくらな森を徜徉さまよううちに、青白い光りものが、目一つの山の神のように動いて来るのに出撞でっくわした。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
山に一庵いちあんをむすび、みずからたきぎを割り水をんで、孤寂こじゃくな山中人になりきっているとは——樵夫きこり猟夫りょうしなどの口から風のたよりには聞えて来るが、さとの者も、旧臣たちも、まだ誰もゆるされて
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところで、鳥博士も、猟夫りょうしも、相互の仕事が、両方とも邪魔にはなるが、幾度いくたびも顔を合わせるから、逢えば自然と口を利く。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その土民は猟夫りょうしらしい。人々に問われてこう話した。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
村に猟夫かりゅうどが居る。猟夫りょうしといっても、南部のいのししや、信州の熊に対するような、本職の、またぎ、おやじのおすではない。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)