独木まるき)” の例文
翌朝、海辺族の酋長が独木まるき舟で船へやってきて、村で疫病が流行し、土人がどんどん死ぬからなんとか防疫の処置を講じてもらえまいかと頼みにきた。
三界万霊塔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
山中に朽木の独木まるき橋を渡り、アワヤ谷底へ真逆様にならんとせしは某君。難なく東小川ひがしおがわ村へ着いた。
或は独木まるき舟に乗り激流をさかのぼった
鱒の話 (新字新仮名) / 今野大力(著)
町付まちつき村から、山道はようやく深くなり、初めは諸所ところどころに風流な水車小屋なども見えたが、八溝川やみぞがわの草茂き岸に沿うてさかのぼり、急流に懸けたる独木まるき橋を渡ること五、六回、だんだん山深く入込いりこめば
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)