狂女きやうじよ)” の例文
ああ、噫、この『お夏』といふ名も亦、決して初対面の名ではなかつた。矢張自分の記憶の底に沈んで居る石塊いしころの一つの名であつた。そして此名も、たしか或る狂女きやうじよの名であつた様だ。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)