物寂ものさみ)” の例文
やがて盛んな笑声が起る。丑松は素知らぬ顔、屋外そとの方へ向いて、物寂ものさみしいみぞれの空を眺めて居たが、いつの間にか後の方へ気を取られる。聞くとは無しについ聞耳を立てる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
遠い方は暗く、木立も黒く、何となく深く静かに物寂ものさみしい。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)