熟達じゅくたつ)” の例文
一同の遠征はけっしてむだでなかった、かれらは酒の原料や、茶の木を発見し、ヴィクンヤおよびラマを生けどり、飛びだまの使用法に熟達じゅくたつした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
けれど今から思うと、横浜の学校からこの方、私はろくに筆や紙や鉛筆を与えられたことがない上に、ろくに学校に通いもしなかったお陰で、そんなものの熟達じゅくたつするひまがなかったのだ。
熟達じゅくたつ、とうとう孫六遺愛のやすりを手がけようとして箱をひらいたのがせき正統せいとうの得印家に生まれて、何世かの兼光を名乗る、この子恋の森陰一軒家のあるじ、火事装束五梃駕籠の首領の老士であった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
彼の理念は、そんな粗雑な構成の熟達じゅくたつで甘んじられなかった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)