熟議じゅくぎ)” の例文
「よし。それでわしも顔が立った。そちらの事にも充分力をそえる。……が、今夜はこれで別れ、いずれまた、熟議じゅくぎいたそう」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もしそれが一家の批判を超越する場合には、批判その物の性質として普遍ならざるべからざる権威を内に具えているがためで、いわば相手と熟議じゅくぎの結果から得た自然の勢力に過ぎない。
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「寺へ来い。そちの母がつくったという野菜など煮させて、一こん酌みながら、なお熟議じゅくぎしよう」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「昨夜来、熟議じゅくぎして、とりきめたことだが——前田への使いは、はや出してしもうたか」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そこのところを、事をわけて、殿には、とくと、伝右衛門どのに、熟議じゅくぎしておいで遊ばすのではないか。何せい、心もとないことじゃ。佐内、御様子をおうかがいして来ても」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)