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焦燥
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せうさう
ふりがな文庫
“
焦燥
(
せうさう
)” の例文
好い男の顏が、苦惱と
焦燥
(
せうさう
)
にさいなまれて、濃い影を作つて居りますが、態度はさすがに客馴れた調子で、少しも惡びれません。
銭形平次捕物控:218 心中崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ふと我に返つて伊藤が英語の誤訳を指摘されたりした場合、私の心臓はしばし鼓動をやめ、更に深く更にやるせない一種の悲壮なまでの
焦燥
(
せうさう
)
が底しれず
渦巻
(
うづま
)
くのであつた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
将門始末では、将門が護の
女
(
むすめ
)
を得て妻としようとしたが護が与へなかつたので、将門が怒つたのが原因だと云つて居る。して見れば将門は恋の
叶
(
かな
)
はぬ
焦燥
(
せうさう
)
から、車を横に推出したことになる。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
焦燥
(
せうさう
)
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
小助は不安と
焦燥
(
せうさう
)
にかき廻されて、日頃の落着きを失つてゐるらしい店の者や近所の衆をかきわけて、奧のさゝやかな部屋に平次を案内しました。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
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この素晴らしい競爭者には、どうせ太刀打が出來ないと思つたのでせう、
眉宇
(
びう
)
の間に
焦燥
(
せうさう
)
の稻妻は走りますが、でも、唇には愛想の良い微笑さへ浮びます。
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次が乘込んだ時は、加納屋は無氣味な不安と
焦燥
(
せうさう
)
に、沼の底に沈んだ寺のやうに靜まり返つて居ました。
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それからほんの半刻、平次も八五郎も、不思議な
焦燥
(
せうさう
)
に、
凝
(
ぢ
)
つとして居られないやうな心持でした。
銭形平次捕物控:107 梅吉殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
櫓の手を止めた音次郎は、滅入るやうな淋しさと、燒きつくやうな
焦燥
(
せうさう
)
と、全く違つた二つの感情にさいなまれて、
舟縁
(
ふなべり
)
に危ふく
縋
(
すが
)
りついてゐる、お京の側へ膝を突きました。
銭形平次捕物控:218 心中崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“焦燥”の意味
《名詞》
焦 燥(しょうそう 「焦躁」の「同音の漢字による書きかえ」)
いらいらして焦ること。
(出典:Wiktionary)
焦
常用漢字
中学
部首:⽕
12画
燥
常用漢字
中学
部首:⽕
17画
“焦燥”で始まる語句
焦燥感
焦燥気味