焦烈じれ)” の例文
三沢は焦烈じれったそうな自分の顔をなお懇気こんきに見つめていたが、やがて「じゃ話そう」と云った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
感情と理窟のもつった所をごしながら前へ進む事のできなかった彼らは、どこまでもうねうね歩いた。局所に触るようなまた触らないような双方の態度が、心のうちで双方を焦烈じれったくした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)